Specialスペシャル

戦姫絶唱シンフォギアAXZ スペシャルリレー対談 03

『戦姫絶唱シンフォギアAXZ』のキャスト&スタッフ陣によるリレー対談を本ウェブサイト限定で公開!

第3回は、マリア・カデンツァヴナ・イヴ役の日笠 陽子さんとエルフナイン役の久野 美咲さんが登場。マリアとエルフナインは立つ場所は違えど、同じ「弱さ」を抱え、ともに乗り越えようとしてきました。そんな二人を演じる中で、日笠さんと久野さんが感じたこととは……?

やはり、そこには「愛」がある!?

――久野さんは『GX』からの参加ですが、参加された当初の頃を覚えていますか?

久野 歌いながら戦う作品だと伺っていたのですが、そういった作品に一度も関わったことがなかったので、一体どんな感じなんだろうといろいろ想像を膨らませながらアフレコに参加させていただきました。

――実際、ほかのキャストさんが歌いながら戦うシーンはご覧になりましたか?

久野 はい。アフレコが終了したあとに皆さんが歌うところをモニター越しに見させていただきました。ただただ、感激してしまいました。日笠さんが歌っていらっしゃる姿を拝見した際は、いつもより力強くて、よりたくましいマリアさんを感じることができました。

日笠 オラオラ系になるよね(笑)。

久野 確かに(笑)。普段も十分格好良いのですが、日笠さんの歌のおかげでそれ以上にキラキラ輝いていて、感動しました。

――日笠さんは『GX』の頃には、アフレコ現場で歌うことにはもう慣れた感じでしたか?

日笠 『GX』になってハードルがグッと上がった感覚がありました。それはやっぱり、『G』の『烈槍・ガングニール』と『GX』の『銀腕・アガートラーム』で曲調がだいぶ変わったことが大きいですね。『銀腕・アガートラーム』は速くて息継ぎがなかなかできなくて、さらに音が上がるわ下がるわで。今振り返ると結構必死なところがあったなと思います。ただ、『GX』を乗り越えたことで、『AXZ』の『Stand up! Ready!!』は意外とすんなり歌うことができました。最初はもっと必死でつらそうなイメージをしていて、共演者の皆さんからも「難しそうな曲だね」と言われていたんですが、不思議と物足りなさを感じてしまったんですよね。それくらい一緒にマリアと成長してこられたのかなと。ただ、これを金子(彰史)さんに言ってしまってたのは失敗だったかもしれないですね。そのせいで第5期の曲が大変なことになったら、ちょっと怖いです(笑)。

――久野さんご自身はアフレコ現場で歌ってみたいと思うことはありませんか?

久野 きっと緊張しちゃうと思います(笑)。あ、でも、『シンフォギア』に出演させていただくようになって、応援してくださるファンの皆さんから「エルフナインちゃんはいつ歌うんですか?」ってお手紙をいただくことが増えました。『GX』が終わったときも「次はエルフナインちゃんが歌うと信じてます」って。

日笠 そうなんだ!

久野 皆さんものすごく望まれているみたいです。エルフナインは装者じゃないので、ちょっと申し訳ないなという思いはありますけど……。

日笠 でも、戦わなくても歌う可能性はあるからね。たとえばクリスや三人娘も学園祭で歌うことがあったし。もしかすると、友里さんと一緒に歌うなんてことがあるかもしれないよ。

久野 確かに友里さんとも仲がいいので。

日笠 ね、いつか実現したらいいよね。

久野 きっとファンの方たちに喜んでいただけますよね。

――『GX』に参加された当初、エルフナインにはどんな印象をお持ちになりましたか?

久野 人間ではない役どころですし、感情があるのかどうかも、ほかのキャラクターと同じように喋っていいのかもわからなかったんです。それでスタッフの方に設定などを細かく伺って。感情もあるし、言葉もちゃんと喋るキャラクターだとわかったので、人間との違いはあまりないのがわかり安心しました。

日笠 最初にエルフナインが出てきたときは、実はラスボスなんじゃないかという想像をしていました。先々のことは私たちも知らないので、実はキャロルを操っているんじゃないかって疑心暗鬼になったりもして(笑)。でも、全然違いましたね。本当にいい子でした。

久野 知らず知らずにスパイの役割を果たしてしまったけれど、キャロルの暴走を止めるために奮闘して、平和な状況を求めてまっすぐに奔走していましたよね。

――『GX』、『AXZ』と、マリアとエルフナインの関係性がクローズアップされることが多いですよね。

日笠 今やマリアにとっては必要不可欠な存在ですね。お互いに悩みがち、ネガティブになりがちなコンビになりました(笑)。

久野 すぐ自分の殻にこもるところは、似ていますよね。

日笠 ねー。だからこそ、親子であったり姉妹であったり親友であったりするような、お互いを助け合う描写をしていただくことがあって。エルフナインがマリアの言葉で成長することもあれば、マリアがエルフナインの言葉で前に進むこともあるという、お互いの成長になくてはならない存在になったのかなと思います。特に『AXZ』になってからマリアとエルフナインがやりとりする描写が多くなった気がします。

久野 多いですよね。

日笠 第2話で私たちが『旋律ソロリティ』を歌っているときに、エルフナインが「あきらめないで!」って立ち上がるシーンは見ていてグッときました。あのエルフナインの言葉もそうですし、久野ちゃんの無垢な声もまたよくてね……。

久野 ええっ!?

日笠 たくさん勇気をもらえました。エルフナインも一緒に戦ってくれているんだなって。

久野 嬉しいです! エルフナインは自分に自信のないキャラクターで、自分のせいでみんなに迷惑かけてしまうって、くよくよしてしまう子なんです。だけど、装者の皆さんを信じる気持ち、中でもマリアさんとの信頼関係ができあがっているので、実際に戦いの場所へ行けないからこそ、強い気持ちで応援したいという想いがあるんじゃないかなと思います。

――エルフナインは作中の解説役としても重要な役割を果たしていますよね。難解な言葉を話しているイメージがありますが、その辺の大変さなどはありますか?

久野 最初はわからない言葉だらけで大変でした。エルフナインは思考したことをしっかり理解して話していると思うので、私自身もちゃんと理解してから発話しないと、聞く側がちんぷんかんぷんになってしまうと思っていて。わからない言葉はすべて調べてからアフレコに臨むようにしています。喋り方自体も、どういうペースで喋り、どこに間を取ったら聞きやすいか、このワードを立てるとわかりやすく伝わるかなとか、ちゃんと考えて練習しています。

日笠 『GX』の頃から難しい言葉が多かったもんね。

久野 『GX』で一番苦労したのは、「ヤントラサルヴァスパ」ですね。聞いたことのない言葉でしたし、気を抜くと噛みそうになる言葉だったので。

日笠 でも、久野ちゃんがすごいのは、絶対に噛まないところなんですよ。

久野 1回噛むと負のスパイラルに入ってしまうので……。メンタルが弱いんです。

日笠 いやいや、テストのときからスラスラと読んでいて、これぞ声優の鑑だなって毎回驚かされます。

久野 嬉しいです。でも、エルフナインも私もそうなんですけど、歌うことができないからこそ、自分のやるべき役割というものをしっかり果たしたいなと思うんです。エルフナインは現地で戦えないから研究を頑張ろうとしていますし、私も歌で感情表現ができないからこそセリフに全部ぶつけたいという思いがあるので。

日笠 久野ちゃんが本当にスラスラっと言うから、きっと制作陣も「お、これはエルフナインに解説してもらおう」って絶対に考えているはず!(笑)『AXZ』になって明らかに解説が増えたもんね。

久野 増えましたね。このセリフ、一体どこまで続くんじゃ〜って思うことがあります(笑)。

日笠 「エルフナイン、エルフナイン、エルフナイン」みたいなときがあるからね。

久野 日笠さんが歌についておっしゃっていたように、セリフにも求められるハードルが上がっているのかもしれないです。なので、とてもやりがいがあります。

――『AXZ』の第5、6話ではマリアとエルフナインがマリアの脳内に入るというエピソードがありました。こちらの感想はいかがでしたか?

日笠 やっぱりウェル博士の登場は「うわぁ~」って思いました(笑)。まさか、マリアの脳内にウェル博士が出てくるとは……。

久野 まさかの登場でしたよね。エルフナインとしては、マリアさんが深層意識に入る相手としてエルフナインを認めてくれたのが嬉しかったです。自分の深層意識って誰にでも見せられるものではないですよね。この二人の信頼関係があってこそのシーンだったなと思います。

日笠 私はマリアが強くなったなと感じました。自分のつらい過去に直面させられ、それをエルフナインにも見られ、でもちゃんと受け入れるんですよね。しかも、エルフナインがピンチになったときは颯爽と助けに行く……。もう、「豆腐メンタル」とは呼ばせないぞと(笑)。

――(笑)。でも、本当にマリアとして何かを乗り越えたシーンでしたね。

日笠 あのシーンは私たちにも反映できるシーンだなと思ったんです。悲しいとかつらいとか、一点しか見られなくなることっていっぱいありますよね。でも実際は、別の角度から見れば、いろんなことが見えてくる。それこそマムの側から見たら、マム自身も苦しそうな顔をしているということがあるんだなって視点によって見えるものが変わるということに改めて気付かされたシーンでした。

久野 ちゃんと自分の過去と向き合って、決着をつけられるところが素敵ですよね。

日笠 「最低の最低よ、ドクター・ウェル」って名言も出たしね。でも、このシーンを見た(水樹)奈々さんが、「マリアって、ウェル博士のこと好きだったのかな?」っていきなり言ってきたんですよ。私はそんなつもりはまったくなかったので、「えっ!?」となってしまって。つい金子さんに確認してしまいました。

一同 (笑)

久野 奈々さんの読みも深くて面白いですね。

日笠 さすがにそれは大人の愛憎入り交じりすぎだろうと(笑)。奈々さんの解釈、すごすぎると思いました。でも、『G』の頃から精神的に支配されていたのは間違いないですし、二期分を持ち越した上で、さらにエルフナインがいないと乗り越えられない存在ではあったのかなと思います。

――マリアが「愛」に気付くというシーンも「ここに繋がるのか」という驚きがありました。

日笠 でも、アフレコ現場では少し笑われましたけどね(笑)。

久野 あれは違うんです! その前のセリフが私なんですが、テストで盛り上げきれず、日笠さんの感情のこもった「愛よ!」とのバランスが悪くなってしまって。それで「日笠さんだけ頑張っちゃってる」みたいに皆さんからツッコミが入ってしまったんです。

日笠 「マリア、急にどうした!?」みたいな感じだったよね。

久野 私のせいです……。

日笠 いやいやいや! 本番はすごくいい形でできたから。

――『AXZ』で印象に残っているシーンについても聞かせていただけますか?

日笠 第1、2話でのF.I.S.組の歌ですね。響、翼、クリスたちの三人曲はイメージが固まりつつあったので、私たちF.I.S.組も同じような曲になるのかなと思っていたら、はっきりと違いが出ていて面白いなと思いました。ただ、三声でのハモりがあり、その中でまた「うぉー!」と叫ぶところがあるので、最初は「どうする?」ってそれぞれ心配していたところもあったんです。でも、「とりあえず、やってみよう」という『シンフォギア』ならではの合言葉をもとに歌ってみたら意外といけたので、心配は杞憂に終わりましたね。すごくいいハーモニーを奏でられたなという実感があります。

久野 『旋律ソロリティ』は、誰かを思う言葉がすごく多いところが素敵ですよね。自分が戦っていて大変な状況でも、誰かを思いやれるってすごいことだなと思います。

日笠 いつも誰かに支えられていたんだという感謝の気持ちが込められた曲なんでしょうね。だからこそ、自分たちも誰かの背中を押したい、みんなと支え合いたいという歌詞になっているのかなと考えています。

久野 エルフナインについては、キャロルのことを想っているシーンが好きですね。エルフナインが研究を頑張れる理由の一つが、キャロルの存在だと思うんです。助けてもらった負い目もあるし、またいつか会いたいと思っているので、彼女の心の中にキャロルがいるのを感じさせてくれるセリフは、すごく大切に演じさせていただいています。

――では最後に、第8話以降の見どころを教えていただけますでしょうか。

日笠 現段階でソロ曲も三人曲も出揃いましたが、実は後半に向けてまだまだあんな曲やこんな曲が待っています。それをぜひ楽しみにしていただきたいですね。

久野 今後の話数でもそれぞれのキャラクターが自分の悲しい過去や弱さにちゃんと正面から向き合っていき、それぞれの感情がとても丁寧に描かれています。装者の皆さんの輝きを最後まで見届けていただけたら嬉しいです。

【SPECIAL CORNER】

●シンフォギアを一言で表してください!

日笠:なぜそこで愛!

久野:克己心

●みんなの力を一つに束ねて「戦姫絶唱シンフォギアAXZ」であいうえお作文を作ろう!

日笠 シン:真実の

久野 フォ:フォカッチャを