Keywords用語解説

レイライン遮断作戦

#10

瞬きが記す光の点。
記された点と点を結ぶと、線が描かれる。
描かれた線は、伸びて繋がり輪を結び、を示す。
示された図形はカタチを為して、意味を為し、魔法陣と完成する。

この空間に描かれた魔法陣こそが「神いずる門」であり、
ここからレイラインを巡る星の命(巨大な生命エネルギー)を抽出し、
「神の力」を錬成することがパヴァリア光明結社の作戦であった。

それまで後手に回らざるをえなかったS.O.N.G.であるが、
錬金術師との戦いの中で入手した情報の断片を元にパヴァリア光明結社の作戦を看破。
安全弁である要石を用いて、レイラインの流れを一時的に遮断する対策を立案する。

それでも、日本の国土を肥沃に維持させるに重要なレイラインの流れを止める事は、
大地が枯れる「荒野化現象」を引き起こす危険を孕んでいるため、
内閣情報官・風鳴八紘の(限りなくグレーな豪腕)指揮のもと、各都道府県の首長らと合議。
様々な保障と保証と補償を視野に入れた決議内容を執行する事となった。

結果、霊的内圧ギリギリの暴発寸前まで、
レイラインから「神いずる門」に流入する星の命を要石にて遮断。
パヴァリア光明結社の企てる作戦阻止に成功する。

――だが、しかし。

「神いずる門」はひとつに非ず。
見上げる夜空には、星々がさらに巨大な「神いずる門」を描いている。

エルフナインが、マクロコスモスとミクロコスモスの照応を応用して、
ラピス・フィロソフィカスへの対策を講じたように、
統制局長アダムもまた、マクロコスモスとミクロコスモスの照応を応用し、
星を巡る命ではなく、星間を巡る膨大なエネルギーを「神いずる門」より抽出する。

要石による遮断も能わず、光の滝となった星々の命は、
ティキに向かって降り注ぐこととなる。

当然、無能なアダムに、
八紘の立てた対策が予測できていたはずはなく、
装者ですらない一般人の予期せぬ抵抗と、
「神の力」の完成直前に覆されたという事実に驚愕。腰が抜けかけてしまう。

それでもアダムは、
道具も触媒も用いない、自身のでたらめな魔力に由来する錬金術を以てして、
簡単には手の届かない彼方にある、
さらに大きなスケールの「神いずる門」を強引に抉じ開ける。

表面上に、 「パヴァリア光明結社の作戦→成功」、
「S.O.N.G.と日本政府の作戦→失敗」という図式を描き、統制局長としての体裁を保つ。

#11

無駄ではなかった。

長々と書き連ねた独り言は、無駄ではなかった。よかった。

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